「実家の片付け」が必要だと思うのはどんな時でしょうか?
・久しぶりに帰った実家がモノであふれていた。
・親も歳をとってきて昔のようには動けないみたい。
・モノが多いせいで生活が不便そう。
そんな状況を目の当たりにした時ではないでしょうか。
私も実家に帰省するたびに、そんなふうに思うことが多くなってきました。
仕方がないことですが、いつまでも元気でいて欲しいのに・・と少し寂しい気持ちになりました。
親にはいつまでも健康で元気でいてほしい。
だから、出来るだけ良い環境で無理をせず、安全に、幸せに暮らして欲しい。
そう思って、いざ実家の片付けを始めたものの、お互いにイライラしたりケンカになったりしてなかなか上手くいかないことも多いですよね。
どうして、うまくいかないんでしょう?
その理由は、以下の3つが考えられます。
また、実家の片付けで最優先すべきことはなんでしょう?
それは、以下の通りです。
今回は、これら「実家の片付けが上手くいかない理由」と「実家の片付けで最優先すべきこと」についてお話しします。
上手くいかない理由①:世代間でのモノに対する考え方の違い
上手くいかない理由の1つ目は世代間でのモノに対する考え方の違いです。
最近の世の中の傾向は、モノを持つということよりも、経験や安らぎ、心地よさなど、いかに心が満たされるかを重要視するようになってきました。
このように私たち子世代はモノを持つことよりも心が満たされることの方が重要だと思うようになってきているのです。ですから、「不要なモノは持たない。モノは使ってこそ生きる。」という風に考えます。つまり、「モノを処分する=モノを大切にしないということではない」という考え方なのです。
断捨離やミニマリストがブームになっていることからもそれがわかりますね。
それに対して、戦後のモノのない時代に幼少期を過ごした私の父と母のような世代は、
モノを処分することにかなりの抵抗があるようです。
また、モノを持つこと自体が豊かさの象徴だった高度経済成長期を経験し、その後、家庭を持ち子供を
育ててきたことも、モノを処分するということに抵抗を感じる理由になっているようです。
つまり、親世代にとってはモノを持っているということ自体が重要なのです。
ですから、「モノを処分する=モノを大切にしない」という考え方なのです。
このように、「必要ないものは処分してスッキリさせたい子ども」と「出来るだけ捨てたくない親」の意見が合わず、片付けが進まないのです。
上手くいかない理由②:親としての意地
親はこういいます。
「まだまだ心配されるほど歳をとってはいないよ。別に不便でもないし。心配しなくても大丈夫。」
その言葉には、忙しい子どもに手間を取らせるのは申し訳ない。心配はかけたくない。という思いがこもっています。
親にとって子どもはいつまでも子どもです。
頼りされるのはいいけど、出来るだけ頼りたくないと思うのではないでしょうか。
そういった親の気持ちにも寄り添えたらいいなと思います。
上手くいかない理由③:親子だから遠慮がない
これまで、「実家の片付け」が上手くいかない理由3つのうち2つまでをお話ししました。
それは、モノに対する考え方の違いだったり、親の子どもに対する思いでした。
それら2つの理由に、今からお話しする「親子だから遠慮がない」ということが加わって、ますます「実家の片付け」を難しくしてします。
親子だから遠慮がない分、いいたいことをストレートに伝えてしまうからケンカになるのです。
そしてそれは、親への思いが強ければ強いほどキツイ言い方になってしまいがちです。
そうすると、お互いイライラしてストレスばかりが溜まってしまいます。
どちらもお互いのことを思いやって、心配しているのに、ケンカになってしまうのは悲しいですよね。
もし他人同士だったらどうでしょう。
きっとケンカにはならないと思います。
実家の片付けで最優先すべきは「安全かどうか」
一般的に、人は加齢に伴っていろいろな心身の機能が低下してきます。
例えば、視力・聴力・筋力・バランス感覚などです。
その機能の低下により、転倒しやすくなったりします。
さらに転倒が原因で、骨折してしまい、寝たきりになってしまう危険性だってあります。
ですから、実家の片付けで一番優先しなくてはいけないのは、安全であるということです。
「高いところのモノを取ろうとして踏み台から落ちた。」「床に置いたモノにつまづいて転んだ。」
など、そんな事がないようにしなくてはなりません。
それには、「高いところにはモノを収納しない。」「床にモノを置かない」などの対策が必要です。
そもそも、実家の片付けをしようと思ったのは「親に健康で安全に暮らしてほしい。」からだったはずです。この際、片付けてスッキリさせるという見た目のことよりも、いかに安全な状態にするかを最優先しましょう。
最後に:元気でいてほしいという気持ちを伝えることからはじめよう。
「実家の片付け」は親を思う子の気持ちと子を思う親の気持ちが重なり合うとても優しいものです。
それなのに、そのお互いを思いやる気持ちが強ければ強いほどぶつかり合ってしまうのはとても残念なことですよね。
親には親の長い間の生活習慣があります。これまでの生活の中での思い出もたくさんあるはずです。
いわば、実家は親の生きてきた人生そのものでもあるといえるのではないでしょうか。
ですから親にモノを処分することを無理強いしたり、ましてや勝手に処分するものを決めて片づけを進めることはしないで、親の生活習慣や思いを尊重しながら進めていきたいものです。
むやみにモノを処分してスッキリした方がいいというのは、私たち子どもの自己満足に過ぎないのかもしれません。
まずは、「健康でいつまでも元気でいて欲しい。」という思いを伝えることから始めてみませんか?
そうすれば、実家の片付けをする時間は家族の思い出を共有できる素晴らしい時間になると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。