モノが多いから散らかっている。
モノを減らせば家の中は片付く。
そんなことは頭ではわかっているけど、いざ減らすとなるとなかなか思うようにいかない。
それどころか、どんどん増えてしまう。
そんなお悩みありませんか?
なぜ、そうなってしまうのか?
実はそれ、私たちの心の中にある心理的な要因が深く関わっているんです。
今回はそういったモノが「増える心理的要因」と「減らせない心理的要因」についてお話ししてみようと思います。
モノが増える心理的要因
モノが増える心理的要因として考えられるのは以下の5つです。
①見栄
②比較
③置き換え
④流行にのっておきたい
⑤感情・欲
それぞれ例をあげていきますね。
①見栄
「ブランドのモノを身につけて自分をよく見せたいな。」
「ブランド品を持って人からすごいと思われたい。」
こういう風に思うのが典型的な見栄という心理的要因です。
モノによって自分の価値を高く見せようとしています。
②比較
「あの人に買えるくらいのモノ、私も買っておかないと。」
これが比較という心理的要因です。これは「人に負けたくない」「人より優位にたっていたい」という気持ちの表れです。
③置き換え
「買い物でストレス発散しているの。」
「福袋ってお得だから買わないと。」
これは、置き換えという心理的要因です。これはモノそのものを買っているのではなく、買うという行為やお得感を買っているに過ぎません。
④流行にのっておきたい
「みんなが持ってるなら自分も持っていたい。」
「今流行っているから流行に乗り遅れないようにしなきゃ。」
これは流行にのっておきたいという心理的要因です。ただ流行っているからという理由だけでモノを買ってしまうのです。流行はその期間も短く、流行のモノは流行が終わればあっという間に不要なモノになってしまいます。
⑤感情・欲
「見たらなんとなく欲しくなってしまった。」
「買うつもりはなかったんだけど、安くなっていたからつい買ってしまった。」
「ただでもらえる粗品や記念品、おまけはもらっとかないと損よね。」
これは、感情・欲という心理的要因です。実際に必要かどうかや欲しかったかどうかではなく、その時の感情や欲に流されてモノを買ってしまいます。
大切なのは、モノが増える心理的要因に振り回されないこと
ここまで、モノが増える心理的要因についてお話ししてきました。
この中で見栄や比較、流行にのっておきたいは、自分よりも人にどう見られるかということを優先した「人が基準」になっています。「人が基準」で買ったモノは本当に自分が欲しいと思っていたモノでしょうか?
そうやって買ったモノは大切にしているでしょうか?
このさい、人にどう見られるかという「人が基準」よりも、自分の価値観を大事にして「自分が自分らしくいられるか」、「自分が本当に心地良いか」という「自分の基準」で判断するようにしませんか?
自分の基準で判断する時はじっくり考えて買うだろうし、買った後もお気に入りになるから大切に使うはずです。そうすればむやみにモノは増えたりしません。
また、置き換えや感情・欲は一時的に満足するだけです。そうやって手に入れたモノは、そもそもそのモノが欲しかったわけではないので使われることがなかったり、大切にされることもなく家の中に溜まっていきます。
こういったモノが増える心理的要因に振り回されていてはモノは増えるばかりです。自分の価値観をしっかり持って自分が本当に必要なモノ、大切に使えるモノをじっくり吟味して買うようにしましょう。
モノを減らせない原因
次は減らせない心理的要因です。
モノを減らせない心理的要因は以下の7つです。
①迷信を気にする
②しつけ
③完全な形
④しがらみ
⑤高価
⑥小さい
⑦壊れていない
①迷信を気にする
ぬいぐるみや人形を処分するときに、なんだか魂が宿っているような気がして捨てられないという人は多いと思います。これは迷信という心理的要因です。
でも、もう必要ないのであれば、寺社に納めるとか「今までありがとう。」と感謝の気持ちを言ってから処分するなど、自分が納得できる方法で手放しましょう。
人形に目隠しをして処分するのも良い方法ですよ。
②しつけ
「小さい頃からモノを大切にするように言われてきた。だから捨てるなんていけない事だよね。」
このように、幼い頃から「モノを大切にしなさい。」と言われてきませんでしたか?
こう言われてきたことで「モノを大切にする。」=「モノを捨ててはいけない。」というふうに思い込んでしまっていませんか?
これはしつけという心理的要因です。
モノを大切にするということはとても大切なことです。
ではその「大切にする」というのはどういうことでしょうか?
使うこともなく、ただ持っているだけで、ホコリを被っているモノを大切にしていると言えるでしょうか?
いいえ言えません。
モノを大切にすることは、捨てずにただ持っているということではありません。
モノにはそれぞれ役割があります。使うことでその役割を果たしてあげること。それが本当の意味でモノを大切にするということなんです。
だから「モノを大切にする」ということは「モノを捨てない」ということではありません。
③完全な形
コーヒーカップとソーサーのセットがあったとします。
あるとき、カップだけが割れてしまいました。そのとき、残ったソーサーはどうしますか?
この時、ソーサーは割れたり欠けたりしていないので処分しにくいという気持ちになりますね。
これが、完全な形だと捨てられないという心理的要因です。
④しがらみ
お土産や贈り物など人からもらったモノはなかなか処分しづらいですよね。
なんとなく、くれた人に失礼な気がしてしまいます。
これはしがらみという心理的要因です。
けれど、くれた方の気持ちにへの感謝はもう十分伝わっているはず。だから、使わない、必要ないのであれば思い切って手放しましょう。
そして自分が人にモノをあげるときには、相手が自分のように困らないモノを選ぶようにしましょう。
食品や消耗品など、食べたり使ったりした後に残らないモノがおすすめです。
⑤高価
また、高いお金を払って買ったモノやブランドのモノなど、高価なモノは捨てづらいものです。(これが高価なモノは捨てづらいという心理的要因です。)
だからといってサイズが合わなくなって着れなくなった服や、時代遅れになったモノを持ち続けていても仕方がありません。使わないのなら手離しましょう。
もし、まだ手放す気持ちになれなかったら、すぐには手放さなくても構いません。
その場合は、持っている理由が「使うため」ではなく「高価だったから捨てられないだけ」ということを認識することから始めましょう。
その理由に納得できた時、手放すことができるはずです。
⑥小さい
小さなモノは置いておいても邪魔にならないのでついたまってしまいます。
「小さいから邪魔にならないし、まっいいか。」とそのままにしてしまうのです。この「小さいからいいか」という心理的要因がモノを減らすのを邪魔しています。
小さいモノも大きいモノも関係ありません。1つは1つです。モノの大きさに関係なく必要のないモノは手放すということを意識しましょう。
⑦壊れていない
使わないモノでも、壊れていないものは処分しづらいモノです。これは壊れていないから捨てられないという心理的要因です。
でも使っていないのであれば、必要のないモノです。今後も使う予定がないなら、思い切って手放しましょう。
減らせない要因を意識してモノを手放していこう
モノを減らす時にも、心の中のいろいろな感情が減らすのを邪魔しています。
減らせない要因を知って意識することでモノをスムーズに減らすことができるようになります。
スムーズに減らすことができるようになれば、だんだんと家の中のモノは減っていきます。
ですから、これらの減らせない要因を常に意識しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回お話ししたように、「モノが増える」「モノが減らせない」には私たちの心の中にある心理的要因が大きく関わっています。
ですから、モノと向き合うことは、自分の心の中の感情と向き合うことでもあります。
心の中の感情が自分とモノとの関わりに大きく影響しているということがわかれば、モノを持つことの本来の目的が見えてきます。目的が見えれば、モノ持つ時の判断基準も明確になります。
その判断基準というのは、ズバリ 「それが必要か、それを使うか」です。
このシンプルな判断基準でモノに向き合っていくと、「モノが多い。減らしたくても減らせない。」という現状を改善することができます。
ぜひやってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。